本を読みたいと思っているのに、
なぜか読書が続かない。
読み始めると集中できず、
気づけば眠くなってしまう。
そんな経験はありませんか?
私も40代後半まで、
読書の習慣がまったく
ありませんでした。
人生を変えたいと思って、
ようやく出会った一冊の本。
しかし、いざ読もうとすると、
心が落ち着かず、強い睡魔に
襲われてしまうのです。
そんな私が始めたのは、
本棚から本を取り、たった1行だけ読むという小さな習慣でした。
今回は、読書が苦痛だった私が、
自分自身と向き合いながら
少しずつ変わっていった経験を
お話ししたいと思います。
40代後半、初めて知った言葉の世界
私は長い間、パチンコや
スロットにのめり込んでいた
過去があります。
振り返れば、人生の多くの時間を
パチンコ店で過ごしてきました。
本を開いて静かに学ぶことなど、
ほとんどなかったのです。
そんな私が40代後半になり、
人生を変えたいと思っていた頃、
本屋でコピーライティングの
専門書に出会いました。
コピーライティングとは、
言葉を使って情報や思いを伝え、
相手の行動にも働きかける
文章の技術です。
その本の冒頭を読んだとき、
私は大きな衝撃を受けました。
自分が知らなかった
言葉の世界がある。
言葉には、人の気持ちや行動に
働きかける力がある。
そのことを知った感動と同時に、
言葉にできない恐怖や不安も
襲ってきたのです。
私は、問題を解決するには、
まず自分の抱えている問題を
言葉にする必要があると
考えていました。
自分は何に苦しんでいるのか。
何を変えたいのか。
それを言葉にできなければ、
解決方法を考えることさえ
難しいのではないだろうか。
もっと言葉を知りたい。
そのために、読書は
欠かせないものだと思いました。
言葉に興味を持ち始めた頃、
私は何気ない会話から、
自分の話し方にも問題があると
気づくことになりました。
そのときの経験は、
なぜ自分の話は相手に伝わらないのか?
という記事でお話ししています。
本を開くと、もう一人の自分が邪魔をする
ところが、実際に読書を始めると、
思いもよらない壁に
ぶつかりました。
静かな部屋で本を開く。
ただ、それだけのことなのに、
なぜか心が落ち着きません。
静寂の中で心がざわつき、
まるでもう一人の自分が
全力で読書を邪魔してくる。
そんな感覚でした。
そして、しまいには
強烈な睡魔が襲ってくるのです。
本を読みたい。
言葉を学びたい。
頭ではそう思っているのに、
思うように読み進められない。
私は、自分自身と
強く葛藤していました。
長年の生活習慣は簡単には変わらない
今振り返ると、
それまでの生活習慣も
関係していたのかもしれません。
長い間、パチンコ店の
にぎやかな環境で過ごしてきた私。
静かな部屋で本に向かうことは、
まったくなじみのない
行動だったのです。
もちろん、それが眠気や不安の
原因だったとは断定できません。
ただ、読書が必要だと
理解しているのに、
心も体もついてこない。
その苦しさは、今でも
はっきりと覚えています。
私が決めた「1行だけ読む」という目標
そんな自分に、
私は強く言い聞かせました。
「今の自分にできることを頑張ろう!」
何ページも読めなくてもいい。
長い時間、集中できなくてもいい。
今の自分にできることは
何だろう。
そう考えて決めた目標が、
本棚から本を取り出し、
1行だけ読むことでした。
本棚から取り、1行読んで戻す
私が繰り返したのは、
とても単純な行動です。
本棚から本を取り出す。
本を開いて、1行だけ読む。
そして、本棚に戻す。
この一連の行動を、
1日に何度も繰り返しました。
目標は、たった1行。
ほかの人から見れば、
小さすぎる目標かもしれません。
しかし、当時の私には
それが精いっぱいでした。
そして、この目標を達成するたび、
体全身で感じるような
強い達成感があったのです。
何ページ読めたかではなく、
自分で決めたことを
今日も実行できた。
その喜びが、私にとって
大切なものになっていきました。
2〜3ページ読めても、1行ルールを変えなかった
どれくらいの期間、
この行動を繰り返したのか。
当時は必死だったこともあり、
今では思い出せません。
しかし、あるとき
気づいたのです。
いつの間にか、
2〜3ページも読んでいる
自分がいました。
最初は1行読むことさえ
苦しかったのに。
それでも私は、そこで本を閉じ、
本棚に戻しました。
そして、次も同じように
1行ルールを続けたのです。
なぜ、読める量を増やさなかったのか
私には、一つの考えがありました。
何十年も積み重ねてきた習慣や感情は、理屈だけでは簡単に変わらない。
数日間うまくいったとしても、
それだけで自分が変わったとは
思えませんでした。
だからこそ、読める量が増えても、
あえて目標を引き上げず、
最初の約束を守り続けました。
私は、目標を大きくすることより、
今できる行動を繰り返すことを
大切にしていたのだと思います。
今振り返ると、それは
自分の心と向き合う、
私なりの対話だったのかも
しれません。
気づけば、体が読書を求めるようになっていた
いつからだったのか、
はっきりとは覚えていません。
ただ、ある変化が
起きていました。
あれほど苦痛だった読書が、
次第に苦痛では
なくなっていたのです。
それは、不思議な感覚でした。
頭で「本を読もう」と
考えるよりも先に、
体が自然と本を求める。
そんな感覚だったのです。
以前は、本を開くだけで
心がざわついていた私。
その私が、自然と
本に向かうようになっていました。
何十年も続けてきた生活が、
急に変わったわけでは
ありません。
それでも、1行という
小さな行動を繰り返した先に、
自分でも思いがけない変化が
生まれていたのです。
読書が続かないとき、今の自分にできること
ここまで読んでくださった方に、
一つお伝えしたいことがあります。
私と同じように、
1行だけ読む必要はありません。
読書が苦手な理由も、
自分に合う方法も
人によって違うからです。
それでも、読書を始めたいのに
続けられず悩んでいるなら、
目標を小さくする方法を
考えてみてはいかがでしょうか。
まずは小さな目標を一つ決める
例えば、次のような
行動からでも構いません。
- 本棚から本を取り出す
- 本を開いて1行だけ読む
- 読めたら、それで目標達成にする
1行が難しければ、
本を開くだけでもいいでしょう。
もっと読みたい人は、
自分に合った量を
選んでもよいと思います。
大切なのは、他人の基準ではなく、
今の自分にできることを
見つけることです。
そして、読めない日があっても、
それまでの行動が
無駄になるわけではありません。
また始められるところから、
取り組んでみてください。
何歳からでも、変わる可能性はある
40代後半の私は、
本を読むことさえ苦痛でした。
そんな私が始めたのは、
たった1行の読書でした。
読める量が増えても、
目標を変えずに繰り返した。
そして、気づけば
読書が苦痛ではなくなり、
自然と本に向かうように
なっていたのです。
だからといって、
誰もが同じ方法で変われるとは
言い切れません。
ただ、あの経験を通して、
私は一つの希望を感じました。
今できることが小さくても、これからの自分まで決まっているわけではない。
もし今、何かを始めたいのに
思うように行動できないなら、
一つだけ考えてみてください。
「今の自分にできる、
一番小さな一歩は何だろう?」
その答えは、
ほんの小さな行動かもしれません。
でも、私にとっては、
その小さな1行が、
新しい習慣への入り口でした。